学年別総評
『第60回丸久児童画コンクール』の審査会は、10月27日(日)に行われました。審査員を務めていただいたのは、山口県造形教育研究会先生方です。
  

◆年少


  • テーマが”お母さん”から”家族”になったことで、子どもの絵の内容の中にたくさんのお話がうまれ楽しい絵になった。

  • 時期が春から秋になったことで、ゆっくりとり組めるようになり、先生と幼児、園児のかかわりも深くなり、お話の多い絵が多くなっていた。

  • 年少児は線を大事にし、描きやすい描材(クレパス・クレヨン)を使うことをオススメします。また、小さい画用紙を使うことも無理がなくよいのではないかと思います。

  • 絵を見る時に、子どもの思いをくみとるためにも、子どもの言葉や思いをしっかりと題名に反映してほしい。


◆年中


  • 題材が豊富で、その中に子どものお話がある作品が多かったことが良かった。色合いについても、絵の具やパステル、コンテなどを効果的に使ってきれいなものが多かった。

  • タイトルの中に子どもの思いが表われるれるように工夫すると良いのではないかと思う。

  • 色画用紙を効果的に使っている。


◆年長


  • 子どもの目線で家族の様子をとらえたかわいらしい作品が多かった。

  • 作品を出品する時期が秋になった事で、夏休み等で経験した家族とのコミュニケーションの1コマが多く描かれていた。

  • 地域の特色が生かされていた作品もあった。

  • 家族とのふれあいの中で感謝の気持ちが素直に作品に表されていた。


◆1年生


  • ”家族”をテーマにし、時期が秋になったことで、題材が広がり、ドローンやクライミングなどをとりあげた作品もあった。

  • 色や線を大切にして描くよう指導されているので、表現内容に合った描画材の選択、用い方を指導すると、さらによくなりそうである。


◆2年生


  • ”秋”に提出ということもあり、今までにないテーマの作品が多くてよかった。「家族」がテーマなので、人とのかかわりを表現すると、よりいいと思われた。

  • 色を大事にしている絵が多くてよい。絵の具・パステル・クーピー、いろいろあった。

  • 低学年では、線描きに力を入れることが大切であり、それを意識した作品が多かった。表現したいものにあった描写材料を支援するということが教師に求められてくる。つまり、子どもの「思い」を形にしていく支援が、低学年では特に大切だと改めて感じた。


◆3年生、4年生


  • 客観的な見方ができるようになる中学年らしく、構成を工夫している作品が目をひいた。

  • 観覧車のゴンドラを中心に、周りに下界を小さく描いて高度感を表したり、アイランド型のキッチンと人物をななめ横から捉えたりした作品が印象に残った。

  • ”家族への感謝”というテーマを、頭で考えたのではなく、生活の中での自然な1コマをとらえて実感をもって表してる作品に好感をもった。

  • 家族旅行の晩、ホテルで家族4人が車座になって話をしていたり、踏み台に乗って吊り戸棚の食器をとった自分をうれしそうな顔で見てくれているお母さんがいたりといった具合。


◆5年生


  • 5学年では、マンガのコマ割りのような画面構成の作品が印象的でした。また水面の輝きや一点透視を用いた遠近感の描写などもスキルアップしているように思います

  • ぼかすように描いたり、色をにじませて表したりする作品では、ただただキレイと思わされるほどていねいに制作されている作品も多くあったように思います。


◆6年生


  • テーマの多様性が見られて、年間を通しての楽しい思い出が描かれていた。表現も豊かになり、充実した作品も多く見られた。